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2005年11月11日 (金)

渓畔林(過去記事より)

keihan渓畔林1
 渓畔林が健全であるか否かで、その川の状態が大きく変ってきます。 その効果は主にリターの供給,木片等の供給、木材の供給、砂の供給等があげられます。 リターの供給は、直接水生昆虫のエサになることからもその効果は周知の事ではないでしょうか。 木片等の供給は、腐りにくい葉類(トチノキの葉、針葉樹の葉等)や枝等がそれにあたる、基本的に、大水が出れば流れてしまうが、何度も岩や、木材にひっかかり、水生昆虫のエサとなるリターを長く川に留めておく役割を果しているのではないかと思われます。こういった小規模のカバーは、6月くらいまでは、稚魚の良い隠れ場所になってくれます。(主にカタ等)  木材の供給(生きたき含めて)は、主にカバーの形成、滝の形成に大きな役割を果しています。カバーは、鳥などの天敵から隠れる場所として、また虫たちの供給源として、その役割を果しています。  砂の供給は?っと思われるかもしれません、地形、地質とも関係し一概には言えませんが、広葉樹であっても林齢の高い林からは、砂の供給があります。砂の供給は、魚の産卵に大きな影響を与え役割を果しています。  難しいのは、役割を果している(メリット)一方で、必ずと言っていいほど、デメリットになっています。
渓畔林2
 渓畔林は、その特性から、多様性が求められます。樹種はもちろんのこと、その階層にも多様性が求められます。  地域差はありますが、沢の木では何が思いつきますか?シャロムの森では、スギ、サワグルミ、ヤチダモ、シオジ、ケヤキ、イヌブナ(クロブナ)、ヤナギ類、カツラ、フサザクラ、カエデ類(ハウチワカエデ等)、トチノキ、トウゴクヒメシャラ(キンシャラ)等々。。  実を言うとシャロムの森を形成している森林(山)の人工林率は、70%を越えています。日本の人工林率(平成14年度で41%)の1.7倍ですから人工林は多いと言えると思います。シャロムの森に来ていただいた方はご存知かと思いますが、たぶんそんな感じは受けないのではないでしょうか?これは、まだ「渓畔林」という概念ができるずっと以前から、川の近くや、尾根筋は広葉樹(針葉樹ももちろん残しました。)を残しました。当時は散々な言われようをしたようですが、今になって見ればシャロムの森の宝物になっています。(砂防ダムが少ないのも、できるだけ作らせなかった経緯があります。理由は同じようなものですが)
渓畔林3
 シャロムの森は「暗い」というのはよく言われていることです。今年は、明るさという観点よりも、「ふりやすさ」を考え多少下層木の手入れを行ないました。「光」を調節するということになると大掛かりに上層木の手入れ(間伐)を行なう必要性があります。以前にも指摘しましたが上層木の役目にも有益なものがあるわけです。魚の卵に有害とされる「紫外線」の遮断。また中~小のカバーの供給(中小の枝)、そして上層木が倒木して起きる大型のカバーの供給という三つが上げられます。  中~小のカバーは水中に没し小さいながらも滝を形成し流れに変化をもたらしたり、落葉を一定時間留めおき、水生昆虫の繁殖に寄与することもあります。またこういった落葉の溜まり場は生まれたばかりの稚魚の隠れる場所にもなるわけです。  倒木の場合は(大きなカバーは)、それ自体良いポイントを形成するとともに長い間その場所にとどまることを考えると、安定した繁殖の場所(伏流する小規模の滝)を形成したりその木の下は、鳥や小動物(シャロムの場合テンなど)から身を守る隠れ場所になります。(稚魚~当歳魚)  何も考えず切るのが非常に楽(コスト的に安価であり技術もいらない)なのですが、むやみやたらに切ればいいというものでもないようです。
・ 上層木の除去方法とアイデア
1上層木の間伐及び除去  原木として有用な広葉樹に関しては資源として活用の方向へ。
2上層木間伐カバーへの利用  釣る際に邪魔になる枝を除去し(邪魔にならないと考えられる部分は残す)大きなカバーとして設置する。
3上層木を倒木させる。(根付き)  根がついていることで非常に安定性(長い間同一場所に存在し続ける)をますことが可能である。枝については2と同じ。
4中層木の残置処理  中層木はできるだけ残し(一部は伐採)紫外線をある程度遮断できるように残しておく。   
以上のようなことが考えられます。全ての流域にたいし実行は不可能でありますので、部分的(ブロック)な処理を考えていく必要があるかもしれません。

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